錯綜!抑えられないマイテンション♪
〜サクソウ オサエラレナイ マイテンション〜



ショックだった・・・
ていうか、許せなくないっ!?
だって、すっごく時間と手間かかったんだよ?
夜のバイトに備えてあたしがやってきた変装って・・・無駄?


ポニーテールを服に隠すの結構うまくデキたって思ったのに!
胸だってバレないよう隠してきたのに!
・・・な、なによ?
小さいって言うな!!(怒)



「まぁ、最近の若い者のオシャレはわかんねぇがよ。」
・・・オシャレでこんな変な格好したんじゃないわよ!!
「さ、先に言いなさいよッ!」
あたし
は厚着を脱ぎ去って、いつもの格好に戻る。




ものすごくハラが立つの!
だから、おじさんにそのストレスをぶつける。
だって、姉さんも言っていたもん。
舐められちゃダメだって!!


そうよ!
歌えないボーカロイドだって強気に出ないと!!
―違う。
歌えないボカロ
もどきだからこそ、強気じゃないと!!


「いや・・・そんな事言われてもよぉ?」
たじろぐおじさんを見て、あたしは更に語気と強めて攻め立てる。
「なによ、それ!ちゃんと答えてよ!!」
すっごく大変だったのよ、厚着するの・・・あームカムカするぅ!!


謝ってよ!土下座してよ!女王様って呼びなさいよ!」
「何言ってだ、おめぇ!」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」
おじさんが急に怒り出して、あたしは反射的にペコペコ頭を下げた。


怒られるの・・・怖い・・・
もう怒られるのは嫌だよ・・・
おじさんは泣きながら謝り出したあたしを見て、困った顔をしている。
「あー、なんなんだ、おめぇはよぉ・・・ほら、今日の分だ。」


あたし
は茶色の紙封筒を受け取ると、お礼も言わず走って逃げた。
おじさん、きっと感じ悪い娘だなぁって思っただろうな・・・
でも、あたし、やっぱ怖いもん。
昔みたいに怒られるのは嫌・・・そんな空気も・・・絶対イヤ。


家に着い時は、もうヘトヘトだった。
体が重くて、何もする気になんてなれない。
あと、すごく眠い。
こんなので・・・あたしの社会生活、ホントに大丈夫かな??


すごく不安。
姉さんに今すぐ会いたい。
頭、ナデナデしてもらいたい。
そんな事ばかり考えていると、涙が止まらなくなった。


でも・・・姉さんは来てくれない。
忙しいから・・・分かってる、それくらい。
姉さんばかりに甘えちゃだめだ。
でも、頭ではそう理解できても、心は寂しくてしょうがないよ・・・


その日は気がついたら泣きながら寝ていた。
泣いて寝て起きてみても − やっぱり独り・・・当たり前だけど。
でも、気分は少し楽になった。
なんか、お腹、減ったな。


とりあえずシイタケをかじった。
うん・・・また頑張ろう♪
ちょっぴり元気が出る。
だってあたしの社会生活はこれからもどんどん続くんだからっ!



前頁次頁
概要

もくじ

第1部 第2部 第3部
覚醒♪ 到着♪ 出撃♪
誕生♪ 完食♪ 迎撃♪
発生♪ 報告♪ 惨劇♪
命名♪ 装着♪ 感激♪
決定♪ 変装♪ 終劇♪
登場♪ 錯綜♪ 衝撃♪
到来♪ 接続♪ 反撃♪
限界♪ 宣告♪ 目撃♪
設定♪ 驚愕♪ 再誕♪
再会♪ 慟哭♪ 共鳴♪
提案♪
更新♪ TOPへ戻る
出発♪ 工房へ戻る
inserted by FC2 system