変装♪働くあたしのミッドナイト♪
〜ヘンソウ ハタラク アタシノ ミッドナイト〜



「これでよしっ!!」
窓ガラスに映る
自分の姿を確認して頷いた。
バッチリだよね?
ポニーテールも服の中にしまってあるから目立たないよね?





何って・・・今からバイトに行くからその準備。
歌のバイト―とかならいいんだけどね。
ぜんぜん違って、行くのは深夜の道路工事の整備係。
でもでも、1回で1万2千円もの高額収入♪


ただ・・・
一応、
あたし、女の子だし。
姉さんから夜に出歩く時は、気をつけなさいって言われてる。
だから、服装で女性に見えないように心掛けてみたの。


・・・なんかものすごく怪しい格好にも見えるかも。
でも、変な気を起こされるより絶対マシなはずだよね?。
まぁ、違う意味で変には思われるかもしれないけど(泣)。
あっと・・・そろそろ時間だし、とりあえずバイトへ行かなきゃ!


予定時刻の5分前。
指定された集合場所にバッチリ到着!
うん、コレって社会生活してる人なら基本だよね?
ボカロもどきでもちゃんと時間を守れるってアピールになるし。


・・・今のあたしって、
ボカロでもなんでもないんだよね・・・
でも、ここでそんなテンション下がること考えてもしかたないか。
うんと・・・
あたし以外にはこのバイトする人いないのかな?
集合場所には、黄色のヘルメットのおじさんとあたしだけ。


「お、オメェが今日のバイト君か?」
コクリと頷く。
だって、ほら、しゃべると女の子であることがバレちゃうでしょ?
でも、おじさん − やっぱあたしのカッコ見て引いてる・・・


「ま、まぁ、いいか。仕事内容は聞いてるな?」
またコクリと頷く。
「おう。通行人が工事現場に近づかないよう案内頼むわ。」
またまたコクリと頷く。


今から朝6時までのお仕事。
ただ立って、ひたすら渡された黄色と黒のシマシマの旗を振る。
・・・
あたし、何やってるのかな・・・
でも、社会生活のためだから、悩んでも仕方ないよね?


それにちょっと別な考え方もしてみる。
だってほら・・・
研究所の実験と比べたら、ずいぶん楽なもんだよ?
立ってるだけなんだから!


・・・人が来れば注意や案内もするけど。
でも、それだけだし!
息が詰まったり、潰されそうになったり・・・
気絶することは絶対ないもんね♪(遠い目)


「おう、ねえちゃん。上がっていいぞ!」
背中越しにおじさんの声が聞こえた。
はぁ・・・やっと終わった。
足、痛い。


ふと、空を見上げる。
もう随分と明るくなってきてる。
雲も少ないし、今日もお天気かな〜。
朝のひんやりした冷たい空気って心地イイよね!


う〜ん、今回のお仕事シュウリョー!
やっぱり、一仕事終えると達成感あるよねー。
・・・伸びをしながら・・・ん、あれ?
さっき・・・おじさん・・・確か・・・え?ねえちゃん???


「な、なんで!?」
「あ、なにが!?」

あたし
はおじさんに詰め寄った。
「なんで、あたしが女の子だって分かったの!?」


「そりゃ、おめえ、現場監督なら先に履歴書受け取るしよ?」

おじさんはシレっと言う。
「はぅ・・・」
そ、そうなんだ。


先、言ってよ・・
こんなお相撲さんみたいに着ぶくれまでして隠したのに・・・
髪の毛服の中に入れるの、ものすごく時間かかったのに・・・
泣きたくなるよ・・・なんだか怒りがフツフツと沸いてきたァッ!!



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概要

もくじ

第1部 第2部 第3部
覚醒♪ 到着♪ 出撃♪
誕生♪ 完食♪ 迎撃♪
発生♪ 報告♪ 惨劇♪
命名♪ 装着♪ 感激♪
決定♪ 変装♪ 終劇♪
登場♪ 錯綜♪ 衝撃♪
到来♪ 接続♪ 反撃♪
限界♪ 宣告♪ 目撃♪
設定♪ 驚愕♪ 再誕♪
再会♪ 慟哭♪ 共鳴♪
提案♪
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