設定♪ゼロから始まるプラニング♪
〜セッテイ ゼロカラ ハジマル プラニング〜



運命の人との出会いから数日。
あれから
あたしの生活は一変する。
まず歌うことが無くなった。
そして続くのは身体を酷使するテストばかりの日々。


・・・辛い。
体中が痛い―いっつもどこかがズキズキしてる。
全力で重いものを引っぱったり、10分以上水に潜ったり・・・
そんなテスト中、
あたしは何度も気絶した。


以前に貰ったピンク色のボーカロイド専用服。
とっても頑丈でよく耐えてくれているけれど・・・
着ている身の方が耐えられない。
やっぱり、
あたしって駄目・・・だよね・・・


だから、実験では
あたしはスタッフの皆さんこう呼ばれた。
「おい、イリーガル!」
「次は炎に対する耐久テストだ、無音。」

無音・・・ムオン・・・歌えないボーカロイドだから。


イリーガルとか無音とか・・・
それって、やっぱり嬉しくない。
でも・・・それでも、あたしは良い方だと考えてる。
だって、名前が本当に無いよりまだマシだと思うから。


「タイムは・・・イマイチだな。」
「ぜっ、ぜっ・・・はっ、す、み・・・ごめん・・なさい。」

息が・・・できな・・・くて・・・苦しい・・・で、でもッ!!
「ぜっ、ぜっ・・・ふっ・・・えっ・・・えへ・・へへへ。」





視界が白くぼやける中、あたしは笑う。
必死で笑顔・・・のつもりだけど、笑えてないかも。
涙が止まらないのに、どうして笑うの?
・・・それはたぶん、笑えなくなると捨てられるから。


そんな風に思えて仕方がないもん。
ホントは、単なる強迫観念かもしれないけど・・・
でもでも、だって!!
・・・
あたしってイリーガル無音だから−


「ふん、気持の悪い機体だな。次は隣の実験室だ。急げよ。」
「ぜっ・・・ぜっ・・・は・・・い・・・」

笑顔(のつもり)で、重い体を引きずって移動する。
破棄されるのは怖いしイヤ。


でも・・・それだけじゃない。
芽生えた新しい気持ちと胸にある暖かさ。
もしかしたら・・・
また会えるかもしれない。


あの人に。
MEIKO様に・・・
その想いが限界ギリギリの
あたしを支える。
だからどんなに極限状態に追い込まれても頑張れる。


なんとか次の実験室にたどり着く。
次は・・・加重実験。
また、
あたし、気絶するのかな・・・
泣きそうになるのを、必死に抑えた。


あの人に会いたい・・・破棄されたくない・・・
崩れそうになる気持ちを奮い立たせる。
笑え、
あたし!!
「ぜっ・・・ぜっ・・・イリーガル、は、入ります・・・!!!」



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概要

もくじ

第1部 第2部 第3部
覚醒♪ 到着♪ 出撃♪
誕生♪ 完食♪ 迎撃♪
発生♪ 報告♪ 惨劇♪
命名♪ 装着♪ 感激♪
決定♪ 変装♪ 終劇♪
登場♪ 錯綜♪ 衝撃♪
到来♪ 接続♪ 反撃♪
限界♪ 宣告♪ 目撃♪
設定♪ 驚愕♪ 再誕♪
再会♪ 慟哭♪ 共鳴♪
提案♪
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