誕生♪歌っちゃダメなボーカロイド♪
〜タンジョウ ウタッチャダメナ ボーカロイド〜



「よし、今日はついに歌うぞ、01。」
「ハイっ!任せて下さいっ!」
あたし
は右手をビシっとおでこに添える。
敬礼のポーズ、コレ、あたしの密かなお気に入り。


あたしが覚醒してから数日。
いくつかのテストを受けてきた。
ボーカロイドのモジュールとしての稼働テスト。
そして今日はいよいよ本番というワケ。


なんてたって
ボーカロイドだもん。
歌わなきゃ♪
だって、それがあたしこれからのお仕事なんだから。
俄然、ヤル気、出るよね!!



「ではスタジオへ入るんだ。」
「はい。」
反響壁とガラスに囲まれた特設のスタジオに入る。
それから用意されてるヘッドフォンとマイクをつけた。


歌うのって初めて。
あたしの歌声、どんなのかな・・・
ちょっと不安でナイーブになりそう。
でも、それ、顔に出しちゃダメだよね。


なぜって
ボーカロイドはいつでも笑顔じゃないと。
みんなに元気をあげれるように、
あたしは強気に生きるんだ!
そう決めてる。
まぁ、こんな考え方も元々プログラミングされたものかな・・
・?


「01、聞こえるか?」
「ハイ!感度、良好です!」
難しい事を考えるより、まず元気よく返事を返す。

「まずはそのスコアにある通り歌ってくれ。」



そうだ。
あたしに今できること・・・
それは歌をうたうこと。
あれこれ考えることなんかじゃないよね!



大きく息を吸いんで、ゆっくりと吐く。
そして、マイクに向かって歌い始めた。
大きな声で。
めいっぱいの
あたしの想いを詰め込んで♪



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概要

もくじ

第1部 第2部 第3部
覚醒♪ 到着♪ 出撃♪
誕生♪ 完食♪ 迎撃♪
発生♪ 報告♪ 惨劇♪
命名♪ 装着♪ 感激♪
決定♪ 変装♪ 終劇♪
登場♪ 錯綜♪ 衝撃♪
到来♪ 接続♪ 反撃♪
限界♪ 宣告♪ 目撃♪
設定♪ 驚愕♪ 再誕♪
再会♪ 慟哭♪ 共鳴♪
提案♪
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